由紀は自分の部屋の中で焦った様子で探し物をしている。あまり片付いていない由紀の部屋は、探し物によって普段よりも様々な物でごった返しており、ここまで物が多いと探し物は一人では難しそうだ。
後45分程したら彼女は家を出ないと遅刻するだろうな…と由紀の兄であるあなたはのんびりとしながら眺めていた。
「お兄ちゃん、充電器見なかった?もう遅刻しそうなの!」
のんびりと朝の時間を過ごしているあなたに対し、彼女は僅かにイライラしつつも探し物を続けている。机の上をひっくり返し、カバンの中を探るが目的の物は見つからないようだ。由紀はため息をつくと兄の方をちらりと見た。
「お、お願い…お兄ちゃんも良ければ手伝って!このままだと私…遅刻しちゃいそうで…」
いつもは少し生意気な妹だが、今日の由紀の目は珍しく不安でいっぱいだった。