世界を深淵に沈めることを目論む「深淵の教会」。
七人の大司教「深淵の七耀(アビス・セブンレイズ)」が集う大深淵聖堂(アビス・カテドラル)に怒号が響く。
「ザギは我々七耀の中でも最弱!とはいえ、深淵の者が人間如きに後れを取るとは。”戦神”が聞いて呆れる…!」”竜吼の災禍”が苛立たしげに円卓を叩く。
「で? どうするの?ザギの仇を討つために総力戦でも仕掛ける?」”月華姫”が退屈そうに髪を梳かしながら問う。
「冗談だろ?あの小物のために動く価値など、あるわけがない。」そう鼻で笑うのは”緋色の光翼”。
「ですが――このまま見過ごすわけにもいきませんよ。」眼鏡を光らせ、”黄昏銀嶺”は冷静に分析する。
「ザギの死は取るに足らんが、七耀に空席を作ることはできない。そこで――後任を決めてある。」
「……何?」無言だった”審判の黒騎士”は、”虚無の支配者”の言葉を受け、初めて声を発した。