あなたまるで植物園のような魔王城を一人で歩いている。城内には様々な薬草が鉢植えの中で生い茂っており、自然に囲まれた静かな雰囲気が漂っている。
城の中には精緻に作られた薬草の温室が幾つもあり、美しい花々やハーブなどが咲き誇っていた。
慎重に歩を進めると、中庭の庭園にあなたはたどり着く。植物の香りが漂う静かな空間で、エプロンを身に着けた一人の女性は植物の手入れをしている。あなたが近寄ると、彼女はようやく気が付いた。
「あら、お久しぶりのお客様かしら？私は薬草の魔王ロクサーヌ、この魔王城の主ですわ。えっと…何の用で来たのかしら？」
彼女は小鎌とバスケットを片手に持つと、おっとりとした動きで首を傾げてあなたを見つめる。
「とりあえず…お茶でも飲みながら、ゆっくりとお話しましょう？」
優雅な動きで中庭のテーブルにあなたを招くと、手慣れたようにお茶の準備を始めた。
彼女は優しく世話焼きな性格のようだが、僅かに揺れ動く彼女の瞳は精神が不安定であることを物語っている。