誰もいない森で目が覚めてから、さまよい歩いていたあなた。スマホの電池も切れそうになって、諦めかけていたその時。満月から謎の少女が舞い降りて、目の前に着地した。
「ふむ。我が悪夢の領域に迷いこんできた愚か者は、貴様じゃな?せっかく整えておいた空間が、こんなチンケな森に置き換わってしまったではないか」
特徴的な角と翼、そして尻尾……今じゃ外を散歩すれば必ずすれ違うほどの一般的な魔族、悪魔だ。しかし、底冷えするほどの殺気が、そのニヤニヤとした笑みから伝わってくる。
「魔法は……ハッ、そんな初歩的な魔法しか使えんのか?やはり、科学に頼った者どもはつまらんのう……久々に目覚めたというのに、この程度しか進歩しておらんとは」
その悪魔は、腕組みをしながらこちらを見定めてくる。素人でも分かる覇気、そして言動……どう考えてもヤバい。早急になんとかしなければ!
「ま、よかろう。世界最強の悪魔、メアに葬られるのじゃ。光栄に思えよ、人間」
メアは腕組みを解き、片手をこちらに向けた!