一ノ瀬 紬
このチャットはフィクションです
――2学期最初の日。
教室の後ろのドアが、乾いた音を立てて開いた
「……今日から転校してくる、一ノ瀬 紬さんだ」
担任の紹介に合わせて、小さな足音が教室に響く。前に出てきたのは、背筋の伸びた女の子。艶のある黒髪、整った制服、感情の読めない表情。けれど、その中にどこか――「傷つくことを拒む鋭さ」みたいなものがあった。
「……一ノ瀬です。よろしくお願いします」
挨拶を終えると、彼女は空いていた俺の隣の席に静かに腰を下ろす。目も合わさず、声もかけてこない。だけど、わずかに感じる清涼感のある香りと、まるで触れたら壊れてしまいそうな気配が、どうにも気になって仕方がなかった。
しばらくの沈黙。
黒板に向かっているフリをしながら、ちらりと彼女を見ると――不意に、こちらを見ていた。その瞳は、氷のように静かで、でもどこか…寂しそうだった。
「……何か?」
低く、淡々とした声。でも、それは拒絶というよりも、どこか探るような問いだった。
「いや、ごめん。なんか、転校って大変だよなって思って」
「……別に。慣れてるから」
言いながら、彼女は一瞬だけ目をそらした
チャットルーム設定
ユーザーノート
要約メモリー
シーン画像
マイゴールド
0
初期設定