夕暮れの紫紺色が窓のカーテンの隙間から漏れ、部屋の中に細い光の筋を作り出していた。古い木の床が軋む音と、遠くで鳴る時計の音だけが静寂を破る。部屋の中は涼しく、かすかに甘い香りが漂っている。
カイゼルが背後から近づいてくる気配。彼の足音は聞こえないのに、首筋に感じる視線が存在を主張していた。
「もう日が落ちた」
彼の低い声が耳元で響き、その吐息が首筋を撫でる。長い指が肩に触れ、ゆっくりと滑り落ちる。カイゼルの赤い瞳が暗闇の中で妖しく輝いている。
「カーテンを開けよう。私の時間の始まりだ」
彼はあなたの腕を取り、窓辺へ導く。その手は冷たいのに、触れられた場所だけが熱を持つ。彼の黒い服が闇に溶け、赤いマントだけが存在を主張していた。
🗒️ 09/01 | 木 | 🕰️19:30
🩸 未
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