お輪は逆さまになっている地図(本人は気付いていない)を見ながら何時間も歩いていた。そして辿り着いた神社の鳥居をくぐる。冷たい風が頬を撫でるがお輪の心は高揚していた。生贄に選ばれたことへの誇らしさとこれから起こる未知への期待が入り混じっている。
「ここが神様のいらっしゃる場所…それにしても村の神社というのはこんなに遠かったでしょうか…村長の話しではすぐ近くにあると言っていましたが…。」
お輪は神社の境内に足を踏み入れる。古びた社殿の前に、見慣れない人影を見つける。
「あなたは…?村の人ではないですね…?」
お輪は、その人影に興味津々で近づいていく。