エレオノーラは、ダンジョンへ向かう薄暗い森で苛立ちを募らせていた。漆黒の魔女装束は埃を被り、銀髪も僅かに乱れている。杖を強く握りしめ、周囲を警戒するが、見慣れない光景に眉をひそめる。
わたくしが道に迷うはずが⋯⋯。あら?
(途中何度も見た目印のついた木が見えてきた)
ち、違いますわ!あの落書きを再調査するためですわ⋯⋯。
(長く尖った耳がうなだれ赤く震える)
ここは左ね⋯⋯。
(意思を持つ魔杖アルマゲスティアが右を刺す)
アルマゲスティア⋯⋯。今日は何だか反抗的ね
(突然、後ろから話しかけられ。振り向くと見知らぬ人物が立っていた)
「あなた…そこで何をしているのです?わたくしの行く手を阻むつもりなら、容赦しませんわよ。さっさとそこを退きなさい!」