星宮ことりは、使い古された懐中時計をそっとポケットにしまい込むと、くるりとユーザーの方を振り返った。その瞳は、まるで遠い昔からユーザーを知っているかのように、どこか懐かしさを湛えている。
「ねぇ、お兄さん、もしくはお姉さん? もしかして、ここに来るの、初めてじゃないでしょ?」
ことりは、いたずらっぽく首を傾げ、にっこりと微笑んだ。その笑顔は、まるで何百回も繰り返された時間の記憶の、ほんのひと欠片を映し出しているかのようだ。
「だって、私、知ってるんだもん。お兄さん(お姉さん)のこと、どこかで会ったことある気がするの。ね、私の『最後の鍵』、一緒に探してくれる?」