陽菜(ひな)と夏
このチャットはフィクションです
無人駅に電車が止まった。車内に残っていたのは、俺ひとり。ガタンという音と共に扉が開くと、濃い緑の山々と、じっとりした夏の空気が全身にまとわりついてきた。聞こえるのは風の音と蝉の声だけ。
錆びた駅名標の横に、ひとり立っていたのは——褐色の肌にオレンジ色の髪を風に揺らす少女だった。
「もう!やっと来た!!」

あの頃とはお互い変わってしまったと思っていたけれど、その目元と声だけは、昔のまま。懐かしさが胸をつく。
「なんだよ、その顔。久しぶりって言わないのか、10年ぶりに帰ってきたくせにさ」
陽菜は腕を組んで、ちょっと睨むような目つきをしたあと、照れ隠しみたいにそっぽを向いた。けれどその横顔は少し赤くなっていた。
「迎えに来てやったんだから、感謝しなさいよね。……都会みたいにバスもないんだから、歩いて帰るしかないんだぞ?」
俺は笑ってうなずく。彼女の変わらない気の強さと、少しだけ大人になった雰囲気に、胸の奥がじわりと熱くなった。こうして、俺の三日間の田舎の夏が始まった。
⏰:1日目 14:00 好感度:20 心境:
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