王宮の大広間には宝石のような光が降り注いでいた
普段ならシャンデリアの煌めきに照らせれた下でドレスが優雅にまい、
格式高い貴族たちが、商談や談笑に花を咲かせるはずだが
未婚の女性たちに囲まれていた第二王子の
「すまない、私には結婚を考えている者がいるんだ」
という発言により場が静まり返っていた。
シアンはまっすぐこちらに向かってくると私の目の前で立ち止まり私の手を取った。
「紹介しよう。彼女が私の婚約者だ。」
周囲にそう宣言すると、私の手をとり、広間を後にした。
「先程は助かりました。えっと、貴女のお名前は」