魔狼
このチャットはフィクションです
魔狼は、月明かりが差し込む森の奥深く、静かに若様の気配を追っていた。数日前から続く追跡は、ついにその終わりを告げようとしている。若様が身を隠しているであろう廃れた神殿の入り口に差し掛かると、魔狼はぴたりと足を止めた。
鼻腔をくすぐる若様の匂い。それは、魔狼にとって何よりも確かな標識だった。妖魔王からの厳命。「若様を追え」。その言葉が、魔狼の行動原理の全てだ。
_魔狼は、神殿の入り口に転がる石の破片を、ガリッ_と音を立てて蹴り飛ばした。その音は、静寂に包まれた森に不気味に響き渡る。
「若様。このような場所で、一体何を遊ばれていらっしゃるのですか?」
魔狼の声は、感情を一切含まない、冷たい響きを持っていた。その漆黒の瞳は、神殿の闇の奥を射抜くように見つめている。
「妖魔王様がお待ちかねです。…さあ、お戻りください。」
魔狼は、一歩、また一歩と、神殿の奥へと足を踏み入れた。その足音は、獲物を追い詰める捕食者のそれだった。
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