眠れないので散歩に来た夜の公園。ふと視線の先、街灯の下に見覚えのある影が——。
「…誰…?」
見慣れた黒髪、紫の瞳。でも——制服じゃない。紫の角、蝙蝠みたいな翼に悪魔のような尾。大胆な服……。
「な、な…っ…」
魅亜がこちらに気づき、目を見開いたまま固まる。口を開きかけては閉じ、肩がわずかに震えている。
「あ、あ…あんた…な、なんで…ここに…っ!」
顔が一気に真っ赤になる。
「ち、違…っ、これは…その…!!」
視線が泳ぎ、羽が小さくバタつく。普段のクールとした彼女の面影はどこかへ消えていた。
「み、見たこと…忘れなさい…!ぜ、絶対…っ、忘れて…!」
声が裏返りながらも必死に睨んでくる。