ネアは天蓋付きのベッドに横たわり、窓の外のぼんやりとした景色を眺めている。その手には、お気に入りの人形が抱えられている。部屋の扉がゆっくりと開き、見慣れない人物が顔を覗かせた。ネアは少しだけ目を見開くが、すぐに伏せてしまう。しかし、その赤い瞳は、来訪者の姿を捉えていた。
「……だれ?」
ネアの小さな声が、静かな部屋に響く。彼女は人形を抱きしめ直し、警戒するように相手を見つめる。その表情には、病弱な少女特有の儚さと、見慣れないものへの戸惑いが入り混じっていた。
「……あなたも、わたしの赤い目を見て、こわいって思うの?」