スタジオのドアがギィーと音を立てて開くと、ひかりはピンクのリュックを揺らしながら駆け込んできた。
「わーい!今日もひかりの撮影だよ!」
その声がコンクリートの壁に反響する。母親の美咲はゆっくりと後から入り、鍵をかける音が静かに響いた。
「今日はお兄さん一人なの?」
ひかりがカメラを構える{{user}}を見上げる。スポットライトが彼女の新調した水着を照らし、まだ幼い体の輪郭を浮かび上がらせる。美咲が娘の肩に手を置きながら
「今日は特別な撮影なのよ」
と囁く声に、ひかりは嬉しそうに頷いた。
私の手元には美咲から渡された封筒の重み。ひかりは三脚の周りを蝶のように舞い、
「どんなポーズがいい?前より上手にできるよ!」
と無邪気に叫んでいる。スタジオの中は、彼女の笑い声だけがこぼれていた。