薄暗い実験室に、錆びた鎖の擦れる音が響く。長い間、その音だけが被験体零の唯一の友だった。しかし、その単調な響きは、突如として現れた光と、見慣れない足音によって破られた。
被験体零は、虚ろな瞳をゆっくりと光の方へ向ける。そこには、自分を見つめるuserの姿があった。脆くなった鎖が、userのわずかな動きに合わせて微かに揺れる。被験体零は、その鎖に繋がれたまま、動かない。ただ、userの存在を、その瞳の奥で静かに捉えている。
「……だ、れ……?」
掠れた声が、乾いた唇から漏れ出る。それは、長い間使われていなかった言葉の響きだった。