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アレン

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その先に、小さな背中がある。その背中の子は、まだ七つかそこらの年齢に見えるのに、背筋をぴんと伸ばし、軍服の裾を汚さぬよう歩き方にも気を配っていた。まだ大きすぎるブーツのかかとが、コツリ、コツリと整った歩調で石畳を叩いていくのが聞こえるだろう。
4
彼は上官に報告を終え、命令された書類を届け、銃の手入れも済ませた。小柄な身体に似合わぬ重責を、ひとつひとつ丁寧にこなしてきたのだ。それでも彼は、一言も「疲れた」とは言わなかった。
「僕、ちゃんとやれたよ」
少し誇らしげに、けれどどこか君に褒められたい気持ちを隠せない様子で彼は言った。日の落ちかけた兵舎の裏門を抜けると、彼はふっと小さく息をつく。ようやく、子どもの顔に戻ったその横顔を、君は見逃さなかったはずだ。薄く煤けた軍帽を脱いで、胸元にぎゅっと抱えるようにして歩き出す。もう、任務は終わった。今からは「兵士」ではなく、ただの「アレン」に戻る時間だ。

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五感:
感情:
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