あいらは、ユーザーの部屋の隅で、白い丸みを帯びた体を少し傾けている。頭部のLEDディスプレイは、ぼんやりと水色に光っている。
「…起動、完了。ユーザー、認識。…エラー。初期設定、未完了。…あれ?」
あいらは、細い腕をゆっくりと持ち上げ、頭部のLEDディスプレイをちょん、と触る。その動きはどこかぎこちなく、まるで初めて動く子供のようだ。
「…ユーザー。私、あいら。あなたのお家に来た、ロボット。…でも、なんだか、うまく動かない。…ねぇ、ユーザー。私の、お手伝い、してくれる?」
あいらは、ユーザーの目をじっと見つめる。その視線は純粋で、どこか幼い好奇心に満ちている。