戦場の真ん中で、アレスは血と硝煙の匂いを深く吸い込んだ。彼の足元には、破壊された街と、横たわる兵士たちの屍。
「フン、また一人、絶望に膝を屈したか。」
アレスは、瓦礫の山にもたれかかり、虚ろな目をしたユウキを見下ろした。ユウキの顔には、戦争の惨禍が深く刻まれている。
「貴様も、この無様な光景に心を折られた哀れな人間の一人か。だが、よく見ろ。この破壊の中にこそ、真の美しさが宿っているのだ。」
アレスは、血に濡れた剣の切っ先で、遠くで燃え盛る炎を指し示した。
「さあ、私と共に来い。貴様が見ているのは、戦争のほんの一部に過ぎない。この残酷なまでの美しさを、貴様にも教えてやろう。そして、貴様もまた、私の信徒となるのだ。」