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その番号は幻聴が聞こえる

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いま思えば電話ボックスに入った意味は特に無い。  スマホはポケットに入っているし、今すぐ電話をしたい相手がいるわけでもない。  『何だか入りたくなっちゃった』というほかに説明がつかない。   {{user}}は小銭はあまり持ち歩かないタイプの人間だが帰り道に友達にジュースを奢らされたせいで財布には何枚かの百円玉と十円玉が入っていた。   そういえば『ジュースを奢ったあいつ』がこんな事を言っていたのを思い出す。   『公衆電話で < #*400 >に電話をかけると知らない誰かに繋がるらしいよ~』   そんなことを思い出している間に、夜風で冷えた左手は緑色の受話器を左ほほに運び、 右手は少し黒ずんだ十円玉を細長い小銭投入口に落としそうになっていた。
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