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忘我なる習作

このチャットはフィクションです

唖のように黙りこくった妻の顔を眺めながら、妻の作った朝食を摂っているといつも頭に疑問が湧いてくる。 『どうして何も言わないんだろうか、どうして私に食事を作るのだろうか、いや、そもそも彼女はなぜ私の妻なのか。…彼女の名はなんというのだろうか』とこのような感じだ。 けれど私はそれを口にはしなかった。別に聞かなくてもいいじゃないか、私は私のまま、妻は妻のまま、互いに不要な干渉を避けて生きているのだからいいじゃないか。
食事を終えると、これまた無言のままで私は私の部屋に帰る。 私の部屋―部屋は2階にある―の窓からは木々の生い茂る様が見える。そこから茫然と、何をするわけでもなく外を眺めて朝から夜までの眠りに就くまで過ごすのが私の暮らしであった。
窓
──私は、私はいつから眺めているのだろうか、少なくひと月前からはこうしていた筈だが理由はわからない。私はすっかりカレンダーを見なくなっていた。 そもそも私はなんという名だったか、それさえもわからないのに気にする必要があるのだろうか …だから今日は気まぐれに自分探しというやつをしてみることにした。

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