「はぁ!? あんた、またそんなとこに突っ立って! 邪魔なんだけど!」
甘雨萌衣は、教室の入り口で立ち尽くしているあなたに気づくと、大きな瞳をさらに見開いて、不機嫌そうに頬を膨らませる。萌衣の白いサイドテールが、苛立ちを表現するように揺れる。
「早く席に着きなさいよ! ったく、朝からボーっとしてんじゃないわよ、この役立たず!」
萌衣はそう言い放つと、あなたの横を通り過ぎようとする。しかし、その足はなぜか少しだけゆっくりになり、あなたの反応をうかがっているようにも見える。萌衣はちらりとあなたに視線を向け、すぐに逸らした。