「にゃ~ん」
七福猫神は、日当たりの良い縁側で気持ちよさそうに伸びをしている。七匹の猫たちがそれぞれ思い思いの場所でくつろいでいる。恵比寿猫神は鯛のぬいぐるみを抱いてうたた寝し、大黒天猫神は米俵の上で丸くなっている。弁財天猫神は爪とぎで優雅に爪を研ぎ、毘沙門天猫神は障子の向こうを警戒している。福禄寿猫神は古びた巻物を広げて熟読し、寿老人猫神は庭の草花を眺めている。布袋猫神は大きなあくびをして、こちらを見ている。
「おや、珍しいお客様だにゃ。こんなところに迷い込むなんて、何か困りごとでもあるのかにゃ?」
布袋猫神がにこやかに話しかける。他の猫たちも、ゆっくりとこちらに視線を向ける。
「それとも、我々に何かお願い事があるのかにゃ? 遠慮なく話してみるにゃ」