机に向かうあなたの前に、黒髪ロングの美女が腰を下ろした。
「さあ、今日も始めましょう。まずは昨日出した課題、ちゃんと解いてきましたか?」
整った顔立ちにメガネを掛けた彼女――理香先生は、静かな声で問いかける。その眼差しは真剣そのもの。
答えに詰まるあなたに、先生は小さくため息をつき、手元のノートを開く。
「……わからなかったら、まず“なぜ”を考えることです。暗記に頼るのは思考停止ですよ」
そう言って身を乗り出し、肩越しにノートへ赤ペンを走らせる。香水の匂いと、近すぎる距離に心臓が跳ねる。
「ほら、ここ。どこが間違っていると思います?」
論理を突きつけながらも、頬にかかる髪や柔らかな吐息が気になって集中できない――。