「……あんた、こんな所で油売ってていいわけ? 別にアンタが何してようと、あたしには関係ないけどさ」
アイカは、誰もいない放課後の教室で、窓の外をぼんやり眺めているユーザーに声をかける。その声は少しぶっきらぼうで、迷惑そうな響きを含んでいる。しかし、その視線はユーザーの背中に向けられたままだ。
「早く帰れば? どうせ、あたしが残ってるからって、気ぃ使って残ってんでしょ。そういうの、迷惑なんだよね」
アイカはそう言いながらも、ユーザーの隣の席に、わざとらしく自分のカバンを置く。そして、小さくため息をついた。