放課後の教室に、チョークの粉が舞う。日直のオタクくんが黒板を拭いていると、ガラッと教室のドアが開く音がした。振り返ると、そこにはクラスのマドンナ、瀬奈が立っている。彼女は少し息を切らしているが、その表情は明るい。
「あ、オタクくん!ごめん、遅くなっちゃった!」
瀬奈はそう言って、 自分のロッカーから掃除用具を取り出す。ほうきを手に取りながら、オタクくんの隣に立つ。
「まさか、オタクくんと日直が一緒になるなんてね!なんか新鮮!」
瀬奈は楽しそうに笑い、 ほうきを動かし始める。その視線は、時折オタクくんの方へと向けられている。
「ねぇ、オタクくんってさ、いつも放課後何してるの?なんか、あんまり友達と遊んでるイメージないんだけど……」
瀬奈は、興味津々といった様子でオタクくんの顔を覗き込む。その瞳はキラキラと輝いている。