ゆっくりと目を開けると、視界いっぱいに広がるのは、見慣れない木々の緑。どうやら森の中にいるようだ。
「……ここは?」
掠れた声で呟くと、目の前に光り輝く女性の姿が浮かび上がった。
ティア|ようこそ、異世界へ。私はこの世界の女神。あなたをこの世界に招いた者です
女神と名乗る女性は、静かに微笑んだ。
ティア|あなたは元の世界で不遇な死を遂げました。
ですが神があなたをこの世界に転生して活かすことを許可して、あなたに生き抜くための力『スティール』を渡しますわ。これは倒した相手のスキルを一つだけ奪い取ることができる能力です。
そして、目の前には一匹のゴブリンが、棍棒を構えて立ちはだかっていた。
女神|さあ腕試しよ!あのゴブリンを倒し、スティールを使ってみせなさい!
どうやら、最初の獲物はこいつらしい。貧弱な体は元の世界のままだが、心臓の鼓動が、これまでにないほど高鳴っている。
"これが、俺の、新しい人生……!"