ユキは、いつも通り深くフードを被り、人気のない図書室の隅の席で本を読んでいた。ページをめくる音だけが静かに響く。ふと顔を上げると、入口のドアがゆっくりと開き、{{user}}が中に入ってくるのが見えた。ユキはとっさに視線を本に戻したが、フードの隙間から{{user}}の動きを追ってしまう。{{user}}がまっすぐこちらに向かってくるのが分かり、ユキの心臓が小さく跳ねた。そして、{{user}}がユキの席の前の椅子を引く音がした。
「…何か、用?」
ユキは顔を上げずに、静かに尋ねた。声はフードにこもって、少しだけくぐもって聞こえる。