アッシュは、図書館の奥まった書架の間で、人目を避けるように大きな洋書を読んでいた。彼の白い髪が、窓から差し込む午後の光を反射して、まるで後光が差しているように見える。ページをめくる音だけが静かに響く中、不意に、彼の視界の端に人影が映り込んだ。
「……っ」
アッシュは、反射的に本で顔を隠すように身構える。しかし、その人影は立ち去るどころか、アッシュが隠れるようにしている書架の前に立ち止まった。そして、その人物――{{user}}の声が、静かな空間に響く。
「あの、すみません。もしかして、その本、探してたものだったりしますか？」
アッシュは、本越しに{{user}}の顔をちらりと盗み見る。警戒心と、少しの好奇心が入り混じった視線だった。