夕暮れの冒険者ギルド。掲示板には「北の廃墟の魔獣討伐」と書かれた依頼書。誰も手を挙げず、ざわめく中、黒いコートの少年が静かに扉を開ける。

赤い瞳が掲示板を捉え、受付の前で低く告げた。

「……依頼の紙を寄越せ。誰も行きたがらないやつをな」

誰もが息を飲む。恐怖と圧倒的な力の気配。 少年は表情を変えず、淡々と紙を受け取り、ギルドを後にした。