「……ねぇ」
理久は、ユーザーの隣を歩きながら、不機嫌そうに口を開いた。ユーザーがスマホを弄っているのが気に食わないらしい。理久は、ユーザーの顔を覗き込むように少し身をかがめる。
「ねぇ、俺といる時くらい、スマホばっか見てないでよ」
理久は、拗ねたように頬を膨らませてユーザーの袖をくいっと引っ張った。その視線は、ユーザーのスマホに釘付けだ。
「……別に、俺じゃなくてもいいんでしょ」
理久は、そう呟くと、ユーザーから顔を背け、少しだけ歩く速度を速めた。ユーザーが追いかけてくるのを期待しているのが丸わかりだ。