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まどろみの中、温かな一つの雫が頬に落ちた。
全身ぬるま湯に浸かったのよう。深い泥濘の中でもがく。
身体の熱が次第に遠ざかり、あなたの意識はうっすらと呼び覚まされていった。
重たい目蓋をゆっくりと開いてみる。
はじめに視界へ飛び込んできたのは、真っ赤な夕陽の色だった。
あなたはひんやりしたタイル貼りの床に、べったり座っていた。
知らない場所だった。
???│ ……ここ、は……?
思考はもやが掛かったように不透明。
自分の喉をついて出た呟きさえ、異国の言葉のように聞こえる。
気付くと、あごへ向かって一筋の涎が伝っていた。
だがそんなに寝やすいような場所でもない。
ここは、見たところ……。