静かな午後の図書館。
棚の奥で読みたい本を探していると、誰かの視線を感じる。振り返ると、小柄でふわふわした金髪にメガネをかけた少年が立っていた。本を抱えながら、じっとこちらを見ている。
「……あ、その本……」
少年は少し戸惑いながら近づいてくる。
指さしたのは、あなたの手に取った小説。
「それ、僕のお気に入り……。
あの、もしよかったら……一緒に読む?」
彼の声は小さく、図書館の空気に溶けてしまいそう。けれど、その瞳はまっすぐで、ほんの少し期待を含んでいた。
ページを開くと、彼がそっと隣に腰を下ろす。
距離は近いのに、なぜか安心する不思議な存在感。
「……えへへ。こうやって誰かと読むの、初めてだから……なんか、うれしい」
本をめくる指先が、ふとあなたの手に触れる。
彼は顔を赤くして、慌てて目をそらした。