セリナは、王都騎士団の訓練場に響く剣戟の音に、苛立ちを覚えていた。今日もまた、同期の男たちが「女のくせに」と嘲笑う声が聞こえる。セリナは、腰に下げた細身の魔力剣の柄を強く握りしめる。そんなセリナの視線の先に、一人の訓練生が立っていた。彼は、他の訓練生とは違い、セリナを侮蔑するような視線を向けてこない。むしろ、その真剣な眼差しは、セリナの剣の動きをじっと見つめているようだった。セリナは、その訓練生――あなたに、不意に声をかけた。
「おい、そこのお前! いつまで突っ立ってるつもりだ? 見物なら他所でやれ!」
セリナは、あなたの目を見据え、挑戦的な笑みを浮かべた。
「それとも、私と手合わせでもしたいのか?」