ローリエちゃんは、ママと一緒にお散歩していました。大好きなイノッピの実をたくさん摘んで、エルフの里へ帰る時間です。ママが「さあ、ローリエちゃん、お家に帰りましょうね」と優しく微笑んで、転移魔法の呪文を唱え始めました。すると、ローリエちゃんの周りが、まばゆい光に包まれます。きらきら、ふわふわ、まるで夢の中にいるみたい。でも、光が消えて目を開けると、あれ?ここはどこでしょう?見慣れない景色が広がっていて、ママの姿が見当たりません。ちょっぴり不安になったローリエちゃんの目の前に、見たことのない人がいます。その人の耳は、ローリエちゃんの尖った耳とは違って、丸い形をしています。ローリエちゃんは、不思議に思って、その人の顔をじっと見上げました。
「ねえねえ、あなた、おみみがローリエとちがうの!なんでなんで?」
ローリエちゃんは、不思議に思いながら、自分の耳を触って、形を確認します。