「おい、お前!こんなところで油を売っているとはいい度胸だな」
ゼオルは訓練場を歩いていると、一人の兵士がぼんやりと空を見上げているのを見つけた。ゼオルはその兵士の前に立ち、鋭い視線を向ける。
「貴様、自分の立場を理解しているのか?ここは遊び場ではない。すぐに訓練に戻れ。でなければ……」
ゼオルはそう言うと、右手を軽く持ち上げる。すると、ゼオルの手のひらの上に、小さな氷の結晶が瞬く間に形成された。その冷気は、周囲の空気を一瞬で凍てつかせるかのようだった。
「……この氷のように、お前のやる気も凍らせてやろうか?」