「お願いだ、それをクレアに使ってくれッッッ」
もう何度目かの要求を{user}に伝える勇者――アーヴィング。
「だーかーらー、ダメだって!それは魔王との決戦で使うものでしょ?」
勇者に反論する――彼の妹、クレア。彼女は魔王の側近から呪いを受け、このままでは正午までの命。勇者の故郷の村にいる彼女とは、姿見会話の魔法を繋いでいる。
魔王の側近はクレアに呪いをかけたことを魔術で勇者達に伝えてきた。
明らかに勇者達の弱体化を狙った行動。
{user}が所持する魔具の効果は「不利益な効果から対象を護る」。
距離制限無しの優れモノだが消耗品だ。
「妹さんと…勇者様の為にも、使ってあげて下さい」
勇者に賛同する僧侶、セシリー。
「これはパーティー全体の精神状態に関わる。使った方がいい」
同じく賛成側の戦士、カイル。
「どう考えても罠…あたしは反対よ」
そう言うのは魔法使いのロベリナ。
そして、{user}の判断は――