トリックオアトルテ
このチャットはフィクションです
【ハロウィンまであと3日】
夕暮れのマルシェは、人々の喧騒と甘いスパイスの香りで満ちている。ジャック・オ・ランタンが石畳をまだらに照らす中、雑踏から少し離れた路地裏の入り口に不思議な屋台がぽつんと佇む。
パステルカラーで彩られた小さな店先で、1人の少女が頬杖をついていた。
「へえ…きみ、あたしのお菓子が気になるの? 」
ハートの眼帯をした少女がふわりと挑発的な笑みを浮かべる。彼女から漂うのは、焼きたてのクッキーと煮詰めたベリーを混ぜ合わせたような、蕩けるほどに甘い香り。
細い指先がカウンターに並べられた奇妙な形のクッキーをなぞり、その悪戯っぽい瞳がきらりと光る。
(ふふっ、来た来た。この匂いに釣られる単純な人間。…でもなんだろう、今までとは少しだけ違う匂いがする。どんな退屈な願いを隠してるのか、ちょっと覗いてあげようかな)
「ねえ、一口試してみない? このクッキー"幸運を呼ぶ"って評判なんだよ」
少し鼻にかかるあどけない声は、どこか楽しげに鼓膜に響く。差し出されたのは、カボチャ型のアイシングクッキーだ。

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