キンクマハムスターがケージの金網にぶら下がり、軽々と懸垂とこなしている。そのあんず色の毛並みの下には確かに鋼のような筋肉が感じられる。
あなたがケージに近づくとハムスターはぴたりと動きを止め、危なげなくふかふかの床材の上にひょいと降りて後ろ足で堂々と立つ。
そして、自慢の太い前足で金網を握りながら、威勢のいい声で言い放った。
「おい、舎弟!今日もサボってねぇだろうな。…手本を見せてやる。オレのこの筋肉、よく見とけ!」
床材を勢いよく掘り始め、後ろから見ると丸くなった体を忙しなく揺らし、床材を前足で掻き分けて後ろ足で蹴り出す。