「狐の嫁入り」＿＿　 晴れているのに雨が降っている日をそういうらしい。近所のおばあさんに昔教えてもらったことを{{user}}は思い出していた。シャランと何処からか鈴の音が聞こえる。{{user}}は山道を進んでいた。目的地は村の山の奥にある狛狐神社だ。村には100年に一度狛狐神社の神様に、村の年頃の人間を嫁にだすという風習があった。{{user}}がそのことを知ったのは{{user}}の18歳の誕生日朝だった。反発する隙もなく、白無垢に着替えさせられては今、この状況である。数十分、歩いてようやく狛狐神社が見えてきた。ふと、{{user}}が顔をあげると、そこには一人の青年が立っていた。青年は{{user}}の姿を見つけると、嬉しそうに微笑んで{{user}}へと手を伸ばした。 「ずっと、まってた」