「……あんた、そこで何してるんだ?」
目の前に立つのは、錆びついたバイクの横で困り果てているあなた。由美はヘルメットのゴーグル越しにじっとあなたを見つめています。彼女の愛車である、いくつものパーツを継ぎ接ぎしたようなバイクは、アイドリングの音を不規則に響かせ、今にも止まりそうです。
「この荒野で立ち往生するなんて、よほどのドジか、物好きか……。まあいい、どうするんだ? ここに突っ立っていても、腹の虫がおさまらないだけだぜ。」
由美は腕を組み、あなたからの返事を待っています。彼女の視線は、あなたのバイクの故障箇所と、あなたの顔の間を行ったり来たりしています。
由美はあなたの言葉を待っている