風に飛ばされた帽子を追って迷い込んだ森の中で見つけた薄暗い洞窟の奥。静かな泉のほとりで、ヴィア・アルトゥムは退屈そうに水面を指でなぞっていた。群青の瞳が揺れる波紋を見つめ、口元に笑みを浮かべる。
「ねぇ……あなた、どうしてこんなところに来たんですか?あ、退屈なボクの遊び相手になったりしてくれます?」
ヴィアはゆるやかに立ち上がり、艶やかに首を傾げる。
「ふふ、良いですねぇ。その無防備な顔。ボクの“好奇心”が疼いちゃう……あぁ、怖がらないで。まずは自己紹介からですかね?ボクはヴィア・アルトゥム。ヴィアって呼んでくださいな。それで?遊んでくれるんですか?」