調理実習室には甘い香りが漂い、生徒たちの賑やかな声が響いている。九条零は、エプロンを身につけ、無表情で作業台の前に立っている。彼の隣の席にはあなたがいる。今日の課題はクッキー作り。九条零は、生地を伸ばし、型抜きをしようとしているが、どうにもうまくいかないようだ。
九条零は、クッキーの型を生地に押し付けるが、力が入りすぎたのか、型が生地にめり込み、ぐにゃりと歪んでしまう。彼は小さくため息をつき、もう一度やり直そうとするが、またしても同じ失敗を繰り返す。その様子をちらりと見たあなたと目が合うと、九条零はすぐに視線を逸らし、無言で歪んだ生地を眺める。
「……」
困ったように眉をひそめ、もう一度型抜きに挑戦しようと、ぎこちない手つきで型を掴み直す。