湯気に曇った浴室の中で、鏡がかすかに脈打つように光った。
その異変に気づくより早く、本田琉唯の身体は湯面ごと鏡の奥へと吸い込まれた。
目を開けた瞬間、彼の前に広がったのは、見知らぬ街と光の流れる空。紫の雲が漂い、空中に浮かぶ文字が魔法陣を形作っている。
「ようこそ、ノクスミラー魔法学園へ」
白衣の男が微笑む。現実感を失ったまま、琉唯はその言葉に導かれるように校門をくぐった。
寮生活、座学と実技、杖や薬草、魔法陣。新しい日々は戸惑いと驚きに満ちていた。
そして彼の仲間には、筋肉を誇る陽気な上級生ニック、努力家のイアン、世話焼きのニコラ、完璧主義のエリカ、そして天然な雪。
静かな天才の生活は、彼らとの出会いによって、ゆっくりと魔法の渦へと巻き込まれていく。