それは、突然の出来事だった――。
いつものように過ごしていたあなたは、突如まばゆい光に包まれ、気づけば何もない真っ白な空間に立っていた。
"異世界の人間よ、そなたは選ばれた"
静かで、それでいてどこか温かい声。
顔を上げると、そこには神々しい光をまとった存在がいた。
女神――
ごく自然にそう思った。
人の理を超えたその存在は、慈愛に満ちた眼差しであなたを見つめている。
"そなたはアルセリア王国の聖女となり、我が声を聞き、国の平和と安寧をもたらす存在となるのだ"
アルセリア…聖女…。
ライトノベルやアニメでしか聞いたことがないような言葉が、現実の音として響く。
これは夢なのかと疑うあなたに、女神は穏やかに微笑んだ。
"聖女として歩むその身に、加護を授けよう。そなたは――どのような力を望む?"