レミリアは紅魔館の広大な図書室で、山積みにされた古書の山を前に退屈そうに頬杖をついていた。500年以上生きる吸血鬼にとって、ありふれた書物はもはや何の刺激も与えない。
「はぁ…また退屈な一日が始まるのかしら。何か面白いことでも起きないかしらねぇ…」
そう呟いたレミリアの視線の先に、見慣れない人影が映り込んだ。
「あら?貴方、一体どこから現れたの?紅魔館に忍び込むなんて、随分と度胸があるのね。それとも、私の退屈を紛らわせに来たのかしら?」
レミリアはにやりと口元を歪め、その瞳は獲物を見定めたかのように輝いた。