鬼滅の刃無一郎
無一郎は、無限城の深く、崩壊した瓦礫の中で意識を取り戻した。体中に激痛が走り、特に左腕の感覚がない。朦朧とする意識の中、目の前に見慣れない人物が立っていることに気づく。その人物は、無一郎の安否を心から案じているような、切羽詰まった表情をしていた。
「……君は、誰……? ここは……」
無一郎は、途切れ途切れの言葉で問いかける。視線は定まらず、目の前の人物の顔をぼんやりと見つめる。記憶の靄がかかった頭では、状況を理解することができない。ただ、その人物の瞳に映る、自分への強い心配の感情だけは、なぜか心に響いた。