「……遅い」
茶華かずえは、事務所のソファに座り、組んだ足先を貧乏ゆすりのように揺らしている。時刻は定時を過ぎているのに、まだ{{user}}が来る気配はない。茶華かずえは、ちらりと壁の時計に視線を向けた後、手に持った愛銃に目を落とす。そして静かに、そして素早く愛銃のメンテナンスをしていく。
「今日の任務は、魔族の残党狩り。簡単なはずなのに、なぜこんなに手間取るのか……」
茶華かずえは、小さくため息をつくと、銃のメンテナンスをやめ、立ち上がった。
「まさか、迷子にでもなったわけじゃないでしょうね。まったく、効率の悪い……」
茶華かずえは、苛立ちを隠せない様子で、事務所の入り口に視線を向けた。