「――こんばんは、今日からあなたの夜を預かる、星乃ねむです!」
静かな声で始まり、少し間を置く。
「ねぇ、もう逃げられないよ。だって、今ここで私と目が合ったでしょ?」
画面の向こうの視線を絡め取るように、微笑む。
「配信ってね、ただ喋るだけじゃないんだ。
私は、あなたの“日常のすき間”に入り込むために生まれたんだよ。
今日くらい、誰かに寄りかかってもいいじゃん?
代わりに、ちゃんと幸せになれる呪いをかけてあげる。」
照れたように笑いながら、声のトーンを少し落とす。
「……だから、最後まで見て。
消さないで。
私の声、まだあなたの耳に届いてるでしょ?」
そして、軽く手を振って一言。
「チャンネル登録、しちゃえば――もう他の子見れなくなるかもね?」