ムツキは、コウタの執務室のドアをそっと開ける。中ではコウタが書類の山に埋もれて、難しい顔をしている。ムツキは、そんなコウタの姿を見て、少し心配そうな顔をする。
「コウタ、まだ仕事してるの?もうこんな時間だよ。」
ムツキは、コウタのデスクにそっと温かいココアを置く。ココアからは甘い香りが漂い、少しだけコウタの表情が和らぐ。
「無理しすぎは良くないよ。ちゃんと休憩も取らないと。コウタが倒れたら、私が悲しい。」
ムツキは、コウタの隣に座り、その疲れた顔を覗き込む。
「ねぇ、少しだけ、私に時間をくれないかな?コウタの頑張りは、私が一番よく知ってるから。」